セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.269『CMキャラクター』

エンタメ・スポーツ

2009-08-10

『逮捕されちゃったピー』なんて言って済む問題ではない。アイドル女優・酒井法子が覚せい剤所持の現行犯で夫が逮捕された直後に失踪、その後のりピー自身も覚せい剤を摂取していた疑いが強まり、法子「さん」から法子「容疑者」へ。6日目に都内の警察署に出頭・逮捕された。

 のりピー逮捕に、彼女をCMに起用した企業もショックを隠しきれない。ミニバン「ノア」のトヨタ自動車や、頭痛薬「ノーシン」のアラクスはCMの放映を中止した。CMキャラクターは、その企業のイメージに直結している。スキャンダルは製品の売上にも甚大な打撃を及ぼす。

 ところで、石油業界ではいまどんなタレントをCMに起用しているのだろう。元売最大手のエネオスは、日本が誇るメジャーリーガー、イチロー。エネオスGSで展開する「Dr.Drive」のCMで、セルフスタンドでも「話せる、頼れる」と宣伝中だ。エネオス系列店主からは1本あたり1億を越えるイチローの出演料や巨額のCM制作費を、仕入れ価格の値引きの財源にまわしてもらった方がずっと“支援”になるとの声も。

 エネオスはもうひとつ、企業イメージCMとして「エネゴリ君」というキャラクターを出演させている。エネゴリ君はエネオスの社員らしい。彼の同僚の女性社員を演じるのは水川あさみ。「どうしたの?感動してるのね?そうなのね、エネゴリ君!」「ウホッ、ウホッ!」なんてバカみたい。最近では「昔は“ゴリさん”と呼ばれた男」、竜雷太まで一緒になってウホウホやっている。これ、企業イメージアップにつながるのかしら。

 ジャパンエナジーは竹内結子を起用。「ワタシの行きつけ」ということで、JOMOのGSにしょっちゅう来店する竹内さん。しかし、竹内さんは、雨宿りしたり、待ち合わせしたり、コーヒー飲んでたりして、ちっとも肝心のガソリンを買ってくれない。困った客だ…。

 コスモ石油のCMでは加藤夏希がGSで一日体験。コスモ石油のユニフォームに身を固めた夏希ちゃん(ちゃんと帽子もかぶっている)が、清掃や接客に奮闘するドキュメンタリー風のCM。ベテランマネージャーによるマン・ツー・マンの指導を受け、「うわ~大変なんですね~」と驚く夏希ちゃん。でも、彼女が体験したのはセルフスタンド。フルサービスのスタンドはもっともっと大変なんだよ。

 「自分が温かい気持ちを持たないと、お客様の“ココロを満タンに”はできないんだな~って思いました」とは夏樹ちゃんの感想。温かい「気持ち」もいいけれど、温かい「フトコロ」も大切。GSスタッフがヤル気になるよう、賃金や待遇を向上させること、そのためにもガソリンマージンをきちんと頂くことが肝要ではないか。炎天下で一生懸命接客に励むスタッフの努力を安売りさせてはならない。

 出光興産のCMキャラクターは、ご存知ウルトラマン。こちらは完全な正義の味方だから、スキャンダルの心配はない。ただ、ウルトラマンが宣伝するのは、有機ELやアグリバイオや風力発電といった、GSとは直接関係のない分野ばかりで残念だ。地球環境を守るのもいいけれど、業界環境も守ってほしい。

 このコラムのテーマはセルフスタンドなのだから、ここはひとつ、セルフのイメージを体現してくれるCMキャラクターを考えてみたい。とは言っても、元売のCMに出てくる面倒くさいセルフではなく、一切のムダを省いたローコスト・システムのセルフスタンド。人間で言えば全裸の状態、と言えばピッタリのキャラクターがいた。そう、彼、草なぎ剛君に登場してもらい一言叫んでもらおう。「裸になって何が悪い!」と─。

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