セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.284『2009年流行語雑感』

社会・国際

2009-11-23

 毎年恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補60語が発表された。審査結果は来月1日に発表される。ちなみに昨年の大賞はエド・はるみの『グ~! 』と天海祐希の『アラフォー』。『グ~!』なんてすでに死語になっている。流行り廃りの何と速いことよ。

 今年、国内で最も大きな事件といえば、やはり『政権交代』。『脱官僚』や『事業仕分け』も候補語に含まれている。既存システムを根本から見直し徹底的に無駄を削ることは、GS業界においても急務であるとこのコラムでも何度も書いたが、来年以降、ますますその重要性は増すことだろう。

 エネオスとジャパンエナジーの合併で、GS業界の『仕分け』は一段と進み、『派遣切り』ならぬ“特約店切り”が加速することは間違いない。2013年には、日本のGSは最盛期の30㌫減少するとの見通しが報じられたが、この業界は『25㌫削減』を上回る数値を達成すべく“自助努力”を着実に進めているというわけだ。

 ユニクロの『990円ジーンズ』に象徴されるように、いまや世の中はデフレの真っ只中だ。いまのところ、『エコカー減税』や『エコポイント』政策などで需要の先食いをしてどうにか景気を下支えしているが、来春以降はどうなるのか。ガソリンの暫定税率廃止問題も相まって、いよいよ日本経済はデフレスパイラルに陥り、二番底に沈む危険性が高まると言われている。お先真っ暗で、ノムさんでなくとも『ぼやき』たくなる。今年一年、このコラムもぼやきっぱなしだったような気がする。

 社会現象を的確に捉えた新語となれば、やはり『草食男子』だろう。男性のメス化は確実に進んでいるようだ。GS業界も元売に去勢され、いまやすっかり“草食化”した感がある。元売から期末調整を分捕ってくるようなパワーはもはやない。販売インセンティブなどの『給付金』も年々少なくなり、もはや系列にとどまるメリットはなくなりつつある。こうなったら、思い切って『チェンジ』し、昨今“肉食化”の一途をたどる女性に倣って、いまの元売と決別すべく『離活』するぐらいの『女子力』を培わないとダメなのかもしれない。しかし、元売と袂を別ったとして、その先やってゆく道があるのだろうか…『あると思います!』

 近年、仏像鑑賞が密かなブームとなり、とりわけ2009年に特別公開された阿修羅像に魅了された女子の事を『アシュラー』と呼ぶのだとか。また、「三国志」などの歴史好きの女性は『歴女(れきじょ)』、農業に目覚めたギャルは『ノギャル』と呼ばれる。好奇心旺盛な女性たちが注目された一年であった。来年は、GS好きの「ガソラー」や「油女(あぶじょ)」、「アブドル」が現われないものかと期待したりするのだが…。

 テレビ朝日系列の人気トーク番組「アメトーーク!」で一躍有名になったのが『家電芸人』。土田晃之や劇団ひとりなど、家電量販店々員顔負けの知識と熱意で、家電製品について語る芸人たちのことだ。彼らのトークを聞いていると、購買意欲を少なからず刺激される。やはり、自分の販売する商品を熟知しほれ込まなければ、お客さまに買っていただくことはかなわないのだという事を改めて教えられる。下手なコンサルタントの講釈を聞いているよりも、はるかに啓発的だ。

 ところで、GS業界の中で流行語大賞を選ぶとすればどんな言葉だろう。業界新聞の紙面で踊った文字の中から三つ選ぶとすれば『週決め』『補助金』『危機的』といったところか。業界の切羽詰った状況がにじみ出てくるようだ。来年こそは、もう少し明るい言葉が頻繁に口を突いて出てくるような年であってほしいものだ。

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