セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.336『レシート』

GS業界・セルフシステム

2010-12-06

 私の店は、プリペイドカードによる精算方式のため、来店客はまず給油レーンに車を停めたら、券売室でプリカを購入する必要がある。(三千円までの小額給油であれば、アイランドの精算機に直接現金を入れて給油することもできる)。プリカを買うと、「ありがとうございました。領収書の必要な方は領収書発行ボタンを押してください」というボイスガイダンスが流れるが、半分以上の客はボタンを押すことなく部屋を出てゆく。

 常連客である一人のオッサンは、領収書ボタンを押さなかった客が去ったあと、素早く券売室に入ってきてまだ点滅中の発券ボタンを押し、他人の領収書をゲットしてゆく。客が続けて来店してきた時には、券売室の奥にあるトイレに入ってゆき、客が出てゆくのを待っていてる。50代半ばぐらいの、身なりのきちんとした男性で、高級外車に乗ってやってくるのだが、経費を水増ししようとの魂胆なのか、トイレに潜んでまで他人のレシートを手に入れようとする姿は結構情けない。その行動パターンに気がついたスタッフが、トイレのドアを開けると、ドア越しに聞き耳を立てていたらしく、あわてて鏡の前でヘアースタイルを整えるフリをしていた。(爆)

 相変わらず手書きの領収書をくれという客もいる。しかし、ガソリンスタンドは飲食店などと同様、不特定の人を対象に営業を行なう業種なので、レシートが法廷領収書として認められている。それに、レシートと領収書の両方を渡せば二重発行になる。それで、私の店では、基本的には手書きの領収書は発行しないことにしている。

 中には領収書をうっかり取り損ねたので何とかならないか、という客もいる。これが、多い日には 4~5人ぐらいいる。はじめのうちは、仕方なく手書きの領収書を発行していたのだが、これも面倒くさくなり、あらかじめプリント済みの各券種のレシートを用意しておいて、それを渡すようにしている。そのレシートは、領収書ボタンを押さずに客が退室したのを見計らって、プリントアウトさせ、ためておいたものだ。つまり、使途こそ違え、先ほどのオッサンと同じ様なことをやっているわけだ。

 ところで、プリカはプリカでも、オンバリュー方式のものは、カードに途中入金ができるため、入金金額と入金日がカードに印字されて、プリカそのものが領収書の役割を果たしている。印字欄がいっぱいになると新しいカードが発行されるのだが、その際古いカードが機械に回収されてしまうので、いつ入金したかの証拠が水の泡となってしまう。やっぱりプリカは、シンプルな使い捨て方式のものが良い。

 さて、冒頭で述べたとおり、屋外精算機には三千円までなら現金を直接入れて給油できる機能が搭載されているので、給油を終えたら領収書ボタンを押してレシートを受け取ることができる。これまた取り忘れる客がちょくちょくいるのだが、こっちは監視室のPOSで再発行できるので問題ない。しかし、こんな客もいる。一回目に千円分給油をし、ノズルを置いてから、さらに追加で千円分を給油。それからレシートボタンを押して、「二千円分給油したのに千円分のレシートしか出てこない」と訴える客いもいる。やれやれ、その都度レシートボタンを押さなきゃダメだってことぐらいわからないものかねぇ…。

 たかが領収書、されど領収書。まだまだレシートを受け取るという習慣が身についていない人が多いのだなと痛感させられる。それならいっそのこと、屋外精算機も、プリカ券売機も、給油やプリカ購入のたびにすべてレシートを出すようにすればいいじゃないか、という人もいるかもしれないが、それはダメ。多くのレシートはフィールドの紙くずとなるだけだし、感熱ロール紙代も馬鹿にならない。何事も倹約ですぞ。

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