セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.356『危険物安全週間』

GS業界・セルフシステム

2011-05-02

 名古屋市が配布している広報誌を見ていたら,「お知らせ」コーナーに,「6月5日から11日は危険物安全週間」との告知があり,セルフスタンドでの安全な給油のためのポイントとして5つのポイントが挙げられていた。

 1.『給油中は必ずエンジンを停止する』─通常,エンジンをかけて給油をしても火災は発生しない。しかし,ガソリンをこぼしてしまい,それが高温のエンジン下部やマフラーなどにかかってしまった場合は引火する可能性があるということで,給油中のエンジン停止が消防法で定められている。しかし,エンジンを切った直後はまだ高熱のままだし,すぐ横のレーンにエンジンをかけたままの車が停まっていた場合はどうなのだろう。そうやって考えるとあまり根拠のない規定のように思える。

 2.『給油は必ず一人で行なう』─これは説明不足。恐らく,給油をする人はきちんと静電気除去処理をする必要があり,それをしていない人がノズルを握ったり,給油口に触れないように,ということなのだろう。あるいは,恋人同士のカップルが,二人でノズルを握って給油すると,二人の発する熱で引火する恐れがある…ということなのかもしれない。それなら「給油中ラブ注入厳禁」の表示を義務付けるべきだ。

 3.『子どもは給油口の近くに近づけない』─親子連れがセルフスタンドに来店すると,子どもたちは大抵給油中の親に“僕にもやらせて!”とせがんでいる。まあ“危険物”なんだから,子どもは近づかない方がいいのだろう。実際には,給油なんて小学生でもできる作業なのだが,この業界にはまだ給油を“崇高な仕事”だと信じて疑わない人が多い。それらの人たちの目には,セルフ給油そのものが“危険行為”と写っているのだろう。

 4.『機械の案内に従い給油を行なう』─当然と言えば当然だが, 私が気に入ったのは,「従業員の案内」ではなく「機械の案内」と記されている事。セルフスタンドでは従業員の案内よりも,機械の案内の方が適確であるということを,消防署もようやく認めるようになってきたということか。

 5.『自動的に給油が止まったら,それ以上に注ぎ足し給油はしない』─これもガソリンをこぼさないための予防策の一環であろう。だが,大型連休で行楽地に出かける前の給油客は,給油が止まったあともしぶとく給油して,1㍑でも多くタンクに詰め込もうとしている。ガソリンを売る側としてはありがたいことだが,車種によっては,思いっきり吹きこぼれる場合もあるので,やはりご遠慮願いたい。とはいえ,セコイ注ぎ足しでガソリンをこぼしてしまうのは,セルフの客よりも,フルサービスのGSスタッフの方が断然多いと思うだが。

 ところで,1990年に定められた,この「危険物安全週間」は,毎年6月の第2週の一週間と定められている。これは,危険物の自然発火による火災が多くなる夏場を控えた6月初旬に啓発運動を行なうのがふさわしいとの意図によるものなのだそうだ。学園都市・日進市に所在する私のスタンドでは,このころから,5月病を乗り切り,学園生活に慣れてきた一年生ドライバーたちが調子こきはじめる。彼らが,神聖な危険物取扱所においてバカをやらかさないよう監視を強化し,不届きな輩がいれば教育指導することで,今年もこの安全週間を意義あるものとしたい。

コラム一覧へ戻る

ページトップへ