セルフ給油システム・周辺機器　販売・施工
和田商事株式会社

　米国がホルムズ海峡を封鎖するだの,イスラエルが先制攻撃を仕掛けるだのと,イランを巡る緊張が高まっている。当然のことながら原油価格は高騰,今月の業転ガソリン価格も月初から月末のあいだに 6～7円値上がりした。2月27日現在,セルフスタンド日進東の仕入価格はガソリンが124円,灯油が76円となっている。この先どこまで上がるのかわからないが,予測したとて詮無きことだ。問題は,その上昇コストを小売価格に転嫁できるかどうかだ。

　業転価格や市況動向について随時メールで知らせてくれる親切な方がいるのだが,それを時系列に並べると2月はこんな感じだった。(仕入価格は外税,小売価格は内税です。念のため)

　10日：『市況是正 2月16日より ボトム価格 ガソリン 139,軽油 119,灯油 91』─この時点で,業転ガソリンは118～9円,系列玉は123～124円だったが,愛知県のセルフ銀座･日進市の市況は130円だった。つまり,系列店はほとんど利益がない状態だったことになる。果たして,16日には情報どおり,一斉に値上がりしたが,翌日には早くも 2円値下がりし,週末には全店134～5円となった。

　22日：『ＥＭ 外販玉 灯油 週中での改訂有り。灯油の在庫を厚くされたほうが賢明だと思います』─結局,週中での値上げはなかったが,ＥＭは翌週から全油種 3円の値上げを行なった。業転の灯油価格も25日以降 76～77円と,前週と比べて 4円以上の上昇となった。系列は80円ぐらいだったようだが,昨年12月にオープンしたばかりのＥＭエクスプレスは一缶 1,494円,つまり1㍑あたり83円の看板が出ていた。もちろん内税価格だ。

　2月27日現在の日進市のガソリン市況133～4円だ。消費税を除くと,127～8円。16日の値上げは10日足らずでもとの木阿弥となってしまったうえに,その間の値上がりで系列玉は130円近くになっているはずだ。つまり,日進市内に軒を並べる系列ＧＳは,公表どおりの価格で仕入れていれば,今月はずーーっと利益ゼロか逆ザヤで貴重なガソリンや灯油を売っていたことになる。

　とてもそんなことは信じられないので,やはり,巷間言われるとおり,販売量に応じて価格調整が行なわれているのだろう。あるいは,燃料油の利益がゼロでもやってゆけるぐらい,カーケアやレンタカー,中古車販売などでしっかり稼いでいるか。さもなくば,系列ＧＳの経営者や従業員は,“元売様さえ儲かってくだされば,我ら一同,飲まず喰わずとも一向に構いませぬ”という滅私奉公の精神にみなぎっているのだろう。大したものだ。私にはとても真似できない,と思っていたらまたメールが送られてきた。

　27日：『市況是正 2月29日 前回のボトム価格プラス6円で調整中』─｢前回のボトム価格｣は139円だから145円にするということか。つまり29日から,日進市のガソリン価格は,一夜にしてイッキに10円以上値上がりするわけだ。お客様は唖然とし,中東で戦争が始まったのかと誤解してしまうかも。仕入コストや販管コストに見合った小売価格を設定し,それを維持していれば,そんな無茶苦茶な値上げをせずに済んだものを。

　やはり系列ＧＳも切羽詰っているのだろう。肝心のお客様から不信感を買うことになったとしても,背に腹は代えられぬということか。まあ,やってみるがよろしかろう。どうせまたすぐに下がる(下げる)のだから。