セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.416『ビキニ美女』

社会・国際

2012-07-16

 『昨年10月22日に中国福建省アモイ市にオープンした,休憩所やワインバーなどを併設した“高級洗車サロン”「モカ」が一年も持たずに倒産した。「会員資格は40万元(約500万円)以上の高級車の保持者」,「ビキニ美女による洗車サービス」などの触れ込みで良くも悪くもメディアの関心を集めてきたが,オープンから1年も経たない7月11日,店に突然「以降の予約は受け付けません」との貼り紙。従業員の話では,同店は3日前からすでに停電・断水しており,正常に営業ができない状態が続いていたそうで,従業員への給料もここ2か月支払われていなかった。

 『また,「モカ」では会員向けに価格5,800元~99,000元(約72,000円~124万円)のプリペイドカードを販売してきたため,多額の債権を抱えている。現時点では社長の行方がわからないことから,債権者である会員や従業員が店に押し掛け,設備品のパソコンやエアコンなどを勝手に持ち帰ったりしている状況だという』─7月16日付webニュース「エキサイト」。

 「ビキニ美女による洗車サービス」か…日本でも昔,どこかのガソリンスタンドでやっていたような気がするが,いかにもバブル景気に浮かれる中国らしい発想ですな。社長がプリカ販売で稼いだカネをすべて投資に回して大損を出し,夜逃げしてしまったらしいとの事だが,債権者の大半は「500万円以上の高級車の保持者」なのだろうし,ビキニ美女の洗車見たさに124万円分ものプリカを買うなんて,あまり同情できる話ではない。むしろ笑える。

 日本ではまもなく梅雨明けとなり,洗車市場は活況を呈することだろう。洗車専門店もちらほらあるが,やはり洗車と言えばGSである。洗車は,いわゆる油外商品の主力であり,洗車売上を伸ばすために,店頭にノボリを立て,横断幕を張り,スタッフは「アナタの車を洗い隊」なんてプリントの入ったTシャツを着て,「夏の洗車祭り」などの文字の踊るクーポン付きの告知チラシを店頭で配ったりする。

 それにしても,日本人は先進諸国の中でもとりわけ洗車好きな国民なんだとか。来日したフランス人が,フツーの駐車場を見て,新車の集積所と間違えたという話を雑誌で読んだことがある。世界には清潔で安全な水を飲むことのできない人が9~10億人もいるとされており,不衛生な飲み水が原因で毎日 3千人の子どもが命を落としているという現実を考えると,車を洗うために文字通り「湯水」のごとく使っていいのだろうかと考えさせられる。

 日本で節水したからといって,そうした国々の水不足が直ちに解消されるわけではないが,洗車料金がたった200円とは少々安過ぎはしないか。冒頭の中国の洗車場ではないが,車を洗うことが“スペシャル”なものだという位置付けをして,付加価値(ビキニ美女etc.)の高い商品とすべきではないだろうか。

 “何だかんだと言って,お前,ビキニ美女の洗車を日本で普及させたがっているんじゃないか”とあらぬ誤解を抱かれてもいけないのでこのあたりでやめておくが,とにかく,日本のGSは,水も油も安く売り過ぎなのだ。コスト削減の努力は必要だが,我が商圏である日進市のガソリン価格はそれを超えている。こうなったら,日進市のGSだけでも,値上げをした上で,ビキニ美女に給油をさせて…。

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