セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.421『雷はスゴイ』

GS業界・セルフシステム

2012-08-20

 先週,先々週と週末は雷雨にたたられた。それも,午前中は太陽が照りつける猛暑で,“天気予報はハズレかな”と思っていたら,にわかに分厚い黒雲が立ち込めたかと思ったら,もの凄い雨と雷に見舞われるという有様。これぞまさしく「青天の霹靂」というやつだ。

 地球温暖化の影響なのだろう,数年前から突然局所的に大雨が降る「ゲリラ豪雨」現象が全国各地で起きている。みなさんのお店は大丈夫でしたか? 大雨もさることながら,やはり,GS,とりわけセルフスタンドにとって最大の脅威は落雷だ。

 雷が直接スタンドに落ちることは滅多にないかもしれないが,近くに落ちた雷による過渡的な異常高電圧によってシステムがダウンしてしまうことは往々にしてある。私の店も,先日計量機の電源が落ちてしまい,給油ができなくなってしまった。分電版のすべての電源スイッチを一旦切り,計量機,外接機,POSの順に電源を立ち上げて復旧させたが,その後幾度も瞬時停電に脅かされた。

 とにかく雷が近づいてきたら,私の店はPOSのスイッチを切ることにしている。万が一とはいえ,落雷でハードディスクやマザーボードが破壊されてしまったら何万円もの修理費,場合によっては新品を購入するハメになってしまうかもしれない。そこまでのダメージはなくても,当日あるいは当月のデータがすべてスッ飛んでしまうという恐れもある。

 もちろん,その間も客が給油にやってくる。すさまじい雷が鳴っている最中に,わざわざ給油に来てくださったのに,「スミマセン,いまシステムを休止させているので」といって帰っていただく訳には行かないので,POSの電源を落としているあいだの機器の制御及びデータの蓄積を行なうバックアップ機器で対応している。

 雷が去ってしまったあと,再びPOSの電源を立ち上げれば良いのだが,その際も,落雷の影響でBUGが発生し,システムの一部が作動しなかったりする場合がある。そういう場合も,慌てず,もう一度電源を落としたあと,今度はPOSのコンセントを一旦引き抜き,もう一度差し込んでから起動させると,大抵は復旧する。

 今回の落雷では,私の店を含む日進市の広範囲の地域で通信回線が一時不通となってしまったため,電話も通じないし,インターネットも使えない状態になってしまった。一部の交差点では,信号機も点灯しなくなり,警察官がどしゃぶりの中で交通整理に当たっていた。人間の生活なんて,地震や雷によって一瞬にしてマヒしてしまうのだということを,改めて感じた次第である。

 雷の電圧はおよそ1億ボルトで,家庭の電圧の約100万倍に相当する。これは,日本の全世帯の電気代50日分を賄える量なのだが,残念ながら現在の科学技術では,雷の電気をためることはできないらしい。これだけのパワー,しかも温暖化も放射能も生じさせないクリーンな電源が活用できないなんてもったいない話である。

 一方,雷の多い年は,稲やキノコがよく育つと言われている。雷は作物の重要な栄養分となる空気中の窒素を分解し,雨がその窒素を地中に溶かしこむためなのだそうだ。そのため,雷は稲の“良き伴侶”ということで,「稲妻」と呼ばれている。セルフスタンドにとっては天敵ともいえる雷だが,地球上の生物が生きていくうえでは必要不可欠なものなのだ。我々は,畏怖の念を起こさせる自然の力の前に,ただただヘソを隠して謙虚にひれ伏すのみである。

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