セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.432『百円ショップ』

政治・経済

2012-11-05

 会社経営における経費節約術として欠かせないのが,百円ショップ商品だ。私も,事務用品や生活雑貨,PC周辺機器などは,まず百円ショップへ行き,そこそこの物があればそれを購入するようにしている。このコラムを書きながら飲むコーヒーのマグカップも百円ショップで購入したもの。書き上げたあとに飲むウイスキーグラスも…どうでもいいか。

 このほどネット版「日経トレンディ」に,「百円ショップで買っていいもの,悪いものはコレだ!」という記事が掲載された。アンケート調査の結果,「買っていいもの」の第1位は,収納用プラスチックケース。私の会社でも愛用されている。セルフシステムの販売・施工・修理も(というか,こっちが本業)行なっているので,機材や部品を種類別に保管しておくのに重宝している。どんな職場でも,仕事を効率良く安全に行なうためには,仕分けと収納は必須だ。2位にランクインしたチャック付き透明収納袋ともども,ローコストで整理整頓をしたいのなら百円ショップへ走るべし!

 一方,購入して失敗したものの第1位は「食品」。「味が落ちる」「量が少ない」などのほかに,「大手スーパーのPB商品の方が安い」という意見も。どこの世界も,価格競争は熾烈だ。以下,ボールペン,ガムテープ,乾電池などは,どれも“安かろう悪かろう”ということで,買わない方がいい商品にランクインされている。個人的には,POSやパソコン,監視モニターなどの電子機器の電源コードを接続するテーブルタップは,少々高くてもナショナルブランドの製品を使うことをお勧めする。電気工事に携わる友人によると,「百均」の電材は怖くて使えないとのことである。

 日本で最初の百円ショップは,1985年に愛知県春日井市でオープンした。当初は,倒産寸前の会社の商品や,メーカーの売れ残り品などを現金で安く買い叩いて大量に仕入れるという“バッタ屋商法”だったが,バブル崩壊,デフレ時代の中で成長を遂げ,いまでは大量販売を武器に,国内外のメーカーとPB商品を共同開発するなど,一つの小売業態としての地位を確固たるものとしている。

 百円ショップのそんな生い立ちを知ると,どことなく独立系GSのそれと重なる。かつては「粗悪品」と揶揄され,業界から悪者扱いされてきたPBスタンドだが,今日,国内GS総数の4分の1を占めるまでに増え広がった。「業転なんか一滴も出していない」と言ってきた元売も,近年は堂々と「外販」と称して製品を卸すに及んで,もはやPBスタンドは元売各社にとって最大級のお得意様になったと言える。

 ところで,百円ショップの商品は1個幾らぐらいの儲けがあるのだろう。大手各社があげているモデル店の収益は,正社員1名,パート2~3名の運営で,粗利益33~35㌫,人件費9~10㌫,間接コスト5~7㌫,営業利益率16~19㌫だということだ。商品によって利益率に差はあろうが100円で15円以上も儲かるなんてうらやましい。しかし,百円ショップを支えるのは“衝動買い”だと言われている。消費者に「えっ,こんな物が百円で買えるの?」と手に取ってもらうためには,絶え間ない商品開発と,それらを在庫として抱えるというリスクを負わなければならない。GS業界はといえば,売っているのはどこも同じもののうえ,在庫はせいぜい2~3日で捌けてしまう。おまけにセルフ方式にすれば,客自身が給油してくれる。こんな安楽な商売をしながら,儲けが少ないなんて言っていたらバチが当たる。我々は,あまりにも努力を怠り,あまりにも利益に疎い業種族なのかもしれない。

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