セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.501『詐欺師来店』

GS業界・セルフシステム

2014-03-24

 先月のことだが,朝6時半ごろにセルフスタンド日進東に来店した30~40代の男性客が,券売室で従業員を呼び出し,「一万円札を両替しようとして,券売機に入れたあとすぐに取り消しボタンを押したのだが(千円札10枚が出てくるはずが)千円分しか戻ってこない」と訴えてきた。「急いでいるから早くしてくれ」と男性に急かされ,従業員がすぐに券売機を開けて調べたが,一万円札が一枚も入っていない。「一万円札なんか入っていませんよ」と答えると,「おかしいな~,千円札と間違えたのかな~」とつぶやきながら帰っていった。

 客が勘違いしていたとは思えない。本当に一万円札を入れて千円しか返ってこなかったのなら,私だったらそう簡単に諦めたりしないだろう。おそらく,差額の9千円をせしめようとしたのだろうが,たまたま直前に売上金を回収したため,券売機に一万円札が残っていなかったので相手もあっさり引き下がったのだろう。そうでなければ“確かに一万円札を入れた”“急いでいるから早くしてくれ”と言われれば,圧力に屈してしまっていたかもしれない,と従業員。気持ちはわかるが,とにかく,客の前で券売機を開けるようなことはせず,こちらのペースで確認作業を行なうようミーティングで指示しておいた。

 あとで券売室の監視カメラを見ると,男は両手で券種が見えないようにして紙幣を投入口に入れているので,やはり犯罪性が強いと感じた。おりしも,日進市とその周辺地域で,深夜に3~4人組でスタンドの外接機をバールのようなものでこじ開けて現金を奪ってゆくという事件が続発していたこともあり,お巡りさんに来てもらい,一部始終をビデオ映像を見てもらうことにした。てっきり,面倒くさがられるかと思っていたら,「このような情報提供は本当にありがたいです」と感謝され,丁寧に調書を取っていった。「店頭でもめたら遠慮なく110番してください」とお巡りさん。

 それから10日ぐらいして,やはり6時半ごろのこと,同じような年齢・背格好の男に,今度は,券売機に一万円札を入れ千円プリカを買ったのだが,お釣り(9千円)が出てこないと従業員が呼び出された。前回とは違う従業員だったのだが,ミーティングでの指示どおり,その場で券売機を開けるようなことはせず,「ちょっとビデオで確認しますので,お車の方でお待ちください」と応対した。「確かめるって何を確かめるんだ?オレ急いでるんだよ!」と男。従業員がビデオ映像を確認すると,出てきた9千円の釣り札を,カメラに背を向けて隠しながら受け取り,素早くポケットにねじ込む様子を,反対側のカメラ(!)ではっきり確認できた。

 「お客さん,お釣り受け取っておられますよね」「いや,出てこなかった」「そうですか,じゃあ券売機の現金を確認しますので30分ほどお待ちいただけますか」「そんなに待てん,急いでるんだ」「じゃあ,すぐ警察官に来てもらって開けますけれどもいいですか」「…もういい!」─。前回とは違う車,違う服装,違うヘアスタイルだったが,恐らく同一人物だろう。また,お巡りさんに来てもらい調書をとってもらった。

 こんなケチな詐欺師に一度ならず二度も来られるとは,と苦々しく思っていたら,このあいだ某元売名古屋支店が系列店に送った通知文書を知人のGS経営者に見せてもらった。すると,30~40代男性が,給油をしようとして取りやめたが返金バーコードが出てこない,急いでいるから早く金を返してくれ,と訴える詐欺事件が名古屋市とその周辺で連続して発生しているとのこと。恐らく,ウチへ来た奴かその仲間なのだろう。機械トラブルだと騒いで従業員をうろたえさせ,現金をだまし取る手口。みなさんもご用心ください。

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