セルフ給油システム・周辺機器　販売・施工
和田商事株式会社

　いまから14年前に,日進市のはずれにあるＧＳをセルフに改造して開業したのが,我が｢セルフスタンド日進東｣である。三叉路交差点の一角に面しており,当時は正面にはコンビニ｢ホットスパー｣(現在の「ココストア」)があり,もう一方には,十数台分の駐車スペースを備えた中華レストランがあった。ＰＢセルフなので,キャノピーや防火塀を好きな色やデザインで飾ることができたが,クリエイティブな才能のまったくない私は,どこかのコンビニに似せようと考え,｢ファミリーマート｣の緑と青のラインを基調とした外観に塗ってもらった。

　ところが,何年かして正面のコンビニが｢ファミマ｣に“マーク替え”したため,道路を挟んで“ファミマ併設スタンド”のような格好になってしまった。｢ファミマ｣に来店した客が店員に『向かいのスタンドのプリカください』と注文したり,ウチの店で給油した客が,駐車したまま｢ファミマ｣に行こうとするので注意すると,『だって同じでしょ』なんて言われたりして,｢ファミマ｣の店長さんとは『お互いご迷惑をお掛けしてます』と挨拶する間柄だった。

　しかし,“盟友”だったその｢ファミマ｣が,もっと駐車スペースが必要だということで,2月末に100㍍ほど離れた広い敷地へ移転してしまった。もう一角にあった中華レストランは居酒屋に変わったあと2年ぐらい前から空き店舗になっていたため,いままで深夜でも明るかった交差点がウチだけになってしまい,ちょっと心細さを感じていた。

　すると,居酒屋があった土地と,そのとなりとそのまたとなりの空地も含めた7～8百坪にはなろうかという敷地に｢セブン-イレブン」が建設されることになり,7月のオープン目ざして工事が進んでいる。日進市というところは,やたらと｢セブン-イレブン｣がある都市で半径5㌔圏内だけでもざっと10件はある。それらは皆この1～2年のあいだに雨後の竹の子のようにできたものである。まるで,日進市全体を占領しようかというほどの勢いだ。その中には,2年半前にオープンした,エッソＧＳ「エクスプレス」の併設店も含まれている。うちの店から3.7㌔㍍離れた幹線道路沿いにあるたいそうな大きさのセルフＧＳで,恐らく日進市界隈では一,二を争う販売量に違いない。

　たまに偵察がてら,その｢セブン-イレブン｣へ買い物に行き,ＧＳの様子などを観察しているのだが,セルフコントローラーはコンビニのカウンターの片隅に置かれており,頻繁に給油許可を求めるチャイムが鳴っている。コンビニ店員がお弁当を温めたり,宅急便の送り状を書いたり,商品を袋に詰めたりと忙しく仕事をする合間に,給油許可ボタンにタッチしているのだが,各レーンの様子を目視･確認しているヒマなどない。無理もない。人間には目は2個,腕は2本しかないのだから。こんな,カタチだけのコンプライアンスを行なわせるぐらいなら,消防法の規定を緩和すればよいのにと思うのは私だけだろうか。

　それはともかく,ウチの店も来月から,道路を挟んで“なんちゃって・エクスプレス”になるということなので,これを機に,このところ前年割れが続いている販売量が回復基調になれば…などと“御利益”に期待してみたり。せいぜいいまのうちに,本物の｢エクスプレス｣へ通って,いろいろとノウハウを学んでこようかな,とも思う。