セルフ給油システム・周辺機器 販売・施工
和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.606『ガソリンプリカ疑惑?』

GS業界・セルフシステム

2016-04-26

 待機児童問題で「日本死ね」というブログを国会で取り上げ一躍時の人となり,当選2回ながら,結成間もない民進党の政調会長に抜擢された山尾志桜里衆議院議員を襲った“ガソリンプリカ疑惑”。「週間新潮」は,山尾氏の選挙事務所が2012年から2014年までの3年間に4百万円近いガソリン代を経費として計上していると報じ,特に2012年には226万円ものガソリンをプリペイドカードで購入したとしている。これは,当時のガソリンの価格と事務所の自動車の燃費で算定すると「地球5周分に相当する」のだとか。(笑)

 一体,そんなにガソリンをどうやって消費したのか,ガソリン代の名目で裏金を捻出したんじゃないか,いや,そのプリカを運動員に謝礼として配ったんじゃないか等々疑いを掛けられ,山尾氏は今月6日に釈明会見を行なった。それによると,ガソリンプリカを大量に購入した事実はなく,購入後に換金したり,関係者や有権者に配布してはいないとのこと。そのうえで,当該期間中に秘書をしていた人物が,GSで他人のレシートを使って不正にガソリン代を請求した可能性があると説明している。

 山尾氏の選挙区は名古屋市の東側にくっついている7都市で,日進市も含まれている。テレビニュースを観ていた妻が『ガソリンプリカって言ってるけれどウチの店かしら』なんて心配(?)していたが,『そんな大口客,うちにはこーせん(来ない)わ』。私は,もし換金する目的で大量購入したのであれば,汎用性の高い元売系列のチャージ式プリカではないかと思ったのだが,何と選挙事務所の近所のGSで購入したプリカで,愛知県内に20店舗あるそのGSグループでのみ使用できるものであった。それでは,金券ショップに持ち込んでも買い取ってもらえないだろう。ショップへ持ち込まないでも,知人や身内に買い取ってもらうという手もあるだろうが,いずれにせよ,換金したお金をガソリン代以外に使用すれば,政治資金規正法の虚偽記載の疑いがかかってしまう。

 山尾氏の説明によると,元秘書が当該GSで精算機の脇に捨てられているレシートを集めて経費として現金を受け取り騙し取った疑いがあるとのことだが,2百万円以上のレシートを集めることなんて可能なのだろうか。不要のレシートがそんなに放置されているということはちょっと考えにくいのだが,絶対有り得ないとも言えない。スタッフが捨てられたレシートをこまめに回収していたかどうかということになる。そもそも,のべつ幕無しにレシートを出すのではなく,レシートボタンを押す仕組みにしておけば,レシート紙の節約にもなるだろうに。

 すでにご存知のとおり,私の店は“正統派”プリカ方式である。来店客は券売機で任意の金額のプリカを買う。領収書が必要な場合は「領収書ボタン」を押してレシートを受け取る。それを計量機の横に立っているプリペイダーに挿入し,油種選択ボタンを押す。あとは給油するだけ。給油が終わるか,プリカの金額がゼロになればノズルを戻す。プリカに残金があれば帰ってくる(取り忘れにご注意ください)。幾ら使用して,幾ら残っているかが知りたければ「明細書ボタン」を押せばレシートが出てくる。ね,簡単でしょ? 先日も,「セルフ初めてなんだけれどできるかしら」という年配のご婦人にお教えしたが,「あら~簡単ね。こんなことならもっと早くやればよかったわ~」と喜んで帰って行った。

 GS来店客は確実に高齢化しており,いろいろな機能を搭載している機器よりも,簡単に操作できる機器を望んでいるのではないか。プリカ方式は運営店のコスト抑制に貢献すると同時に,お客様にも歓迎されるシステムだと思う。無論,怪しい資金作りのために重宝されるようなことがあってはならないが…。

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