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和田商事株式会社

セルフ雑記帳

和田 信治

vol.990『オオタニさんのニュース』

エンタメ・スポーツ

2024-03-04

 『「大谷翔平結婚」が民放1日午前・昼の情報番組を“ジャック”した。ドジャース大谷翔平の電撃結婚発表,そして29日(日本時間3月1日)に行われたキャンプ地の米アリゾナ州グレンデールでの囲み取材の様子を,地上波各局は大々的に伝えた。午前6時15分ごろ始まった会見は,民放キー局全てが生中継。1時間40分以上の放送時間を割いた番組や,放送時間内で7度にわたって伝えた番組もみられ,各局合わせた同時間帯の総放送時間は10時間近くに達した』─3月1日付「日刊スポーツ」。

 いまや世界で最も有名な日本人とも言える大谷の結婚,しかもそれらしい噂がまったくなかっただけに,まさに“電撃”。そりゃあ,日本のメディアが大騒ぎするのは無理もない。けれど,いまだに大谷の結婚相手についてあーでもない,こーでもないと報じるワイドショーには苦笑するよりほかない。大谷選手自身,結婚を発表した理由を聞かれて「一番は皆さんがうるさいから。しなかったらしなかったでうるさいですし,きょう まずここで発表して,野球に集中したいなっていうのが一番ですね」と笑いを誘いつつ,“そっとしておいてね”とメッセージを発しているわけで,この件はもうおしまいにすべきだと思う。

 私の関心は,あくまで野球選手としての大谷翔平であって,彼がどんな女性と結婚したかなんてほとんど興味なし。ましてや「デコピン」のことなどどうでもいい。一昨年,凱旋帰国した大谷選手が日本記者倶楽部で会見した際も,あまりにもくだらない質問をする記者たちにあきれてしまった。「収入の使い道は?」とか「家庭を持つタイミングは?」 とか,挙句の果てに「日本に帰って何を食べましたか?」って,それ聞いてどうするんだ?!。別に野球通にしかわからない専門的な話を聞けと言っているわけではないが,世界最高の野球選手に限られた時間内でもっと高尚な質問ができないものかと…。

 2004年〜2011年の8年間,中日ドラゴンズの黄金時代を築いた落合博満監督は,記者の質問にまったく答えないことでメディアに不人気だった。特に親会社の記者たちに。そんな落合を見かねた,故・野村克也が「あんた,もうちょっと記者に答えてやれよ」と諭すと落合は,「だって,あいつら全然野球のことわかってないんだもん。話したってわかんないんだからしょうがない」と─。落合の態度は極端かもしれないが,確かにヒーローインタビューなんか,決まって「あの打席,どんな気持ちでしたか?」だもん。まあ答える選手のほうも,「思い切って行こうと思ってました!」とか何とか言っとけばいいから楽なんだけど。「いまの気持ちは?」「最高でーす!」なんてやり取りは,お互いプロとして恥ずかしくないか,と言いたくなる。

 さて,昨年,2度目の右肘手術をした大谷選手,今シーズンは指名打者に専念する。当然期待されるのは両リーグホームラン王。過去にたった3人しか達成していない。そして,さらなる偉業である両リーグMVP。こちらを成し遂げたのは,フランク・ロビンソンただ一人。まず,1961年にレッズの主軸として優勝に貢献してナ・リーグMVP。その後,今日までMLB史上“最も愚かなトレード”と評されているオリオールズへの移籍一年目の66年に三冠王に輝き,ア・リーグMVP。そんなレジェンドと肩を並べるかもしれないと思うとわくわくする。2月27日のホワイトソックとのオープン戦で放ったホームランはやや差し込まれたにもかかわらず逆方向へ打ち返した。球を押し返す腕力は相当のもので,肘の回復は順調なようだ。2日のガーディアンズ戦でもインコース高めのボール球をねじ伏せるようにして引っ張りタイムリーヒット。いいですね~。

 ウクライナ戦争は3年目に突入しいまだ収束の兆しはない。パレスチナでは流血と飢餓の地獄絵図が繰り広げられている。自然災害や悲惨な事故,政治の腐敗や非道な犯罪,恐怖,孤独,憎悪に苦しむ人々…毎日のニュースは気が滅入ることだらけ。大谷選手が何本ホームランを打とうが,私たちの抱える不安や苦悩がなくなるわけではないが,彼の活躍に一喜一憂できるのは,まだそれだけ“ゆとり”がある証拠かもしれない。今年も精々「オオタニさんのニュース」で楽しませてもらいましょう。

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